Windows 11の2026年4月アップデートで不具合多発|原因・対策・修復方法を完全解説

2026年4月14日、Microsoftは167件の脆弱性を修正する大型アップデート(KB5083769)を配信しました。
しかし今回のアップデート、インストール後に起動できなくなる・バックアップソフトが使えなくなる・BitLockerのパスワードを求められるといった深刻なトラブルが相次いで報告されています。
この記事では以下を解説します。
- 今回のパッチで何が修正されたのか
- どんな不具合が起きているのか
- 不具合が起きたときの具体的な対処法
「アップデートしていいか不安」「すでにトラブルが起きている」という方に向けて、わかりやすくまとめました。
1. 今回のアップデートの基本情報
今回Windows 11向けに配信された更新プログラムは以下の通りです。
| 対象OS | KB番号 | ビルド番号 |
|---|---|---|
| Windows 11 26H1 | KB5083768 | 28000.1836 |
| Windows 11 25H2 | KB5083769 | 26200.8246 |
| Windows 11 24H2 | KB5083769 | 26100.8246 |
- 配信日: 2026年4月14日(パッチチューズデー)
- 修正件数: 167件の脆弱性
2. 主な改善・修正内容
セキュリティ修正
今回のアップデートで特に重要な修正は2点です。
① SharePointのなりすまし脆弱性(CVE-2026-32201)
SharePoint Serverで第三者が別のユーザーになりすますことができる脆弱性です。すでに実際の攻撃に悪用されていることが確認されており、早急な対応が必要です。
② ChromiumのUse-after-free脆弱性(CVE-2026-5281)
ブラウザエンジンの深刻なバグです。悪用されると、ウェブサイトを閲覧するだけで悪意あるコードが実行される恐れがあります。
セキュリティ強化
- セキュアブート証明書の更新: ブート時の信頼性チェーンを強化。起動プロセスへの不正介入を防ぎます。
- 脆弱なドライバのブロック強化: 既知の脆弱性を持つドライバを自動的にブロックするリストが更新されました。
- カーネルレベルの保護強化: OSの中核部分への不正アクセスをより厳しく制限します。
- リモートデスクトップのフィッシング対策強化: RDPファイルの接続設定がデフォルトで無効化され、初回利用時にセキュリティ警告が表示されるようになりました。
ポイント: 今回のアップデートはセキュリティの「土台」を大きく変える内容です。そのためインストール後に一部の環境で互換性の問題が発生しています。
3. 報告されている不具合一覧
不具合①:起動できなくなる(ブートループ)★★★★★
最も深刻な不具合です。アップデート後の再起動時に画面がモザイク状になり、その後ブルースクリーン(BSOD)が表示されて起動できなくなります。自動修復が試みられますが修復できず、同じエラーを繰り返す「無限ループ」状態になります。
影響を受けやすい環境:
| 項目 | 影響を受けやすい構成 |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 5 2600、Ryzen 4000シリーズ |
| GPU | NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti |
| PC | HP Pavilion、Dell デスクトップ、ASUS B650E搭載機 |
| ドライバ | 2024年11月以前の古いAMD Radeonドライバ |
また、インストール中に通常の1回ではなく4回以上の再起動が発生するケースも報告されています。インストール中は強制終了せず、10〜15分ほど待つようにしてください。
不具合②:バックアップソフトが動かなくなる ★★★★☆
Macrium Reflect、Acronis、NinjaOne、UrBackupなど多くのバックアップソフトが正常に動作しなくなる不具合です。
原因: これらのソフトが共通して使っている「psmounterex.sys」というドライバが、セキュリティ上の理由でWindowsにブロックされたためです。
症状:
- バックアップの実行中にエラーが発生して止まる
- 保存済みのバックアップイメージが開けない
- 「VSS_E_BAD_STATE」「Microsoft VSS has timed out」というエラーが表示される
不具合③:BitLockerの回復キーを突然求められる ★★★☆☆
アップデート後の再起動時に突然「BitLocker回復キーを入力してください」という画面が表示されます。特に会社のパソコンなど、BitLocker(ドライブの暗号化機能)が有効になっているPCで多く発生しています。
重要: 回復キーの入力は1回だけで済みます。正しいキーを入力した後は通常通り起動できるようになり、以降の再起動では再発しません。Microsoftもこの問題を公式に認定しています。
不具合④:RDP(リモートデスクトップ)の画面表示がおかしくなる ★★☆☆☆
複数のモニターを使っていて、それぞれのスケーリング(表示倍率)が違う場合に発生します。リモートデスクトップの接続確認ダイアログでテキストが重なったり、ボタンが隠れて押せなくなったりします。
対策: 2026年4月30日配信のプレビュー更新「KB5083631」で修正済みです。
不具合⑤:アイドル中にフリーズする(新たに判明)★★★☆☆
Windows 11 25H2において、PCが放置状態やロック画面のまま完全にフリーズする不具合が新たに確認されています。時計が止まり、キーボードやマウスが一切反応しなくなるため、強制電源オフが必要になります。
4. 不具合別の対処法
【不具合①対策】起動できなくなった場合
STEP 1:Windows回復環境(WinRE)に入る
電源ボタンを長押しして強制終了し、これを2〜3回繰り返すと自動的に「回復環境」が起動します。または、起動時に「F11」「F8」「Shift+再起動」などのキーを押して回復環境に入ります(PCのメーカーにより異なります)。
STEP 2:スタートアップ修復を試みる
トラブルシューティング → 詳細オプション → スタートアップの修復
修復できない場合は、次のSTEPに進みます。
STEP 3:コマンドプロンプトで問題のアップデートを削除する
トラブルシューティング → 詳細オプション → コマンドプロンプト
コマンドプロンプトに以下を入力してEnterを押します。
wusa /uninstall /kb:5083769 /quiet /forcerestart
STEP 4:システムファイルの修復を実行する
※以下のコマンドは、Windowsが「D:ドライブ」にインストールされている場合の例です。環境により文字が異なります。
dism /image:D:\ /cleanup-image /restorehealth
sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=D:\Windows
完了後に再起動して、正常に起動できれば修復完了です。
補足: アップデートを削除した後でも、グラフィックドライバを最新版に更新してから再度アップデートを適用することで、問題なく使えるようになるケースがあります。
【不具合②対策】バックアップソフトが使えなくなった場合
推奨対処:バックアップソフトを最新バージョンに更新する
各メーカーが、Windowsのブロックリストに対応した新しいドライバを含む更新版をリリースしています。
| ソフト名 | 対処方法 |
|---|---|
| Macrium Reflect | 公式サイトから最新版をダウンロードして更新 |
| Acronis Cyber Protect | 最新バージョンへのアップデートを適用 |
| NinjaOne Backup | 管理コンソールからドライバのアップデートを確認 |
| UrBackup | 公式サイトから最新版をインストール |
緊急の場合の暫定対処(セキュリティリスクあり・非推奨)
コマンドプロンプトを管理者として開き、以下を実行します。
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\CI\Config" /v VulnerableDriverBlocklistEnable /t REG_DWORD /d 0 /f
⚠️ 注意: この設定はバックアップソフトの問題が解決したら必ず元に戻してください。セキュリティ上の脆弱性が発生します。
【不具合③対策】BitLocker回復キーを求められた場合
STEP 1:回復キーを確認する
- Microsoftアカウントのページ: https://account.microsoft.com/devices/recoverykey にアクセス
- 会社のPCの場合: システム管理者またはIT部門に連絡
- 保存しておいたファイルやプリント: BitLocker設定時に保存を求められた場所を確認
STEP 2:48桁の回復キーを入力して起動する
正しく入力するとWindowsが起動します。一度正しく入力できれば、次回以降の再起動では回復キーを求められません。
【不具合④対策】リモートデスクトップの表示がおかしい場合
Windows Updateから「KB5083631」を適用してください。
設定 → Windows Update → 更新プログラムのチェック
5. まとめ・アップデートすべきか?
アップデートを急がない方がいい環境
- AMD Ryzen(特に2600や4000シリーズ)+ NVIDIA GTX 1080 Ti の組み合わせ
- Macrium ReflectやAcronisなどのバックアップソフトを業務で毎日使っている
- BitLockerが有効で、かつ回復キーの保管場所がわからない
アップデートを適用した方がいい環境
- 上記のハードウェアを使っていない
- グラフィックドライバが最新版(2024年12月以降)になっている
- バックアップソフトがすでに最新バージョンになっている
✅ 適用前の準備(全ユーザー共通)
- BitLocker回復キーの保管場所を確認しておく
- 重要なファイルのバックアップを外付けドライブなどに取っておく
- グラフィックドライバを最新版に更新しておく
- バックアップソフトを最新バージョンに更新しておく
よくある質問
Q:アップデートを適用しないとどうなる?
A:167件の脆弱性が修正されないままになります。特にSharePointの脆弱性はすでに攻撃に悪用されているため、長期間放置は危険です。問題のある環境への対処が完了したら早めに適用してください。
Q:不具合が怖いので自動更新をオフにしたい
A:一時的に更新を延期することはできます。「設定 → Windows Update → 更新の一時停止」から最大5週間延期できます。ただし長期間の停止はセキュリティリスクになります。
Q:アップデートを削除したらまた自動インストールされる?
A:Windows Updateの設定によっては再インストールされる場合があります。ドライバや環境を修正してから再適用することをおすすめします。
まとめ
2026年4月のWindows 11アップデートは、セキュリティを大幅に強化する重要な内容です。一方で、特定のハードウェア環境やバックアップソフトを使っているユーザーには深刻なトラブルが発生しています。
今すぐできること:
- BitLocker回復キーの保管場所を確認する
- グラフィックドライバを最新版に更新する
- バックアップソフトを最新バージョンに更新する
- 問題なければアップデートを適用する
不具合が発生しても、この記事で紹介した手順で多くの場合は回復できます。焦らず、一つずつ対処してください。
最終更新:2026年5月|参考:Microsoft公式サポートページ、Windows Latest、Notebookcheck、Neowin、NinjaOne
