影響を受けている場合は直ちに適用してください。
- 2026年4月アップデート(KB5082142)の概要と修正内容
- DC再起動ループ・LSASSクラッシュの発生メカニズム
- バックアップソフト停止・BitLocker問題への対処法
- 緊急OOBパッチ(KB5091575)の適用手順と運用対策
2026年4月14日のパッチチューズデーにおいて、Windows Server 2022向けに以下の更新プログラムが配信されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象OS | Windows Server 2022 重要 |
| 定例パッチKB番号 | KB5082142 |
| OSビルド番号 | 20348.5020 |
| 配信日 | 2026年4月14日(パッチチューズデー) |
| 緊急OOBパッチ | KB5091575 緊急リリース |
| OOB配信日 | 2026年4月19日 |
| 修正件数 | 167件の脆弱性(Windows全体) |
| 更新の種類 | サーバーOS用累積セキュリティ・信頼性向上更新プログラム |
| 対象OS | 定例パッチKB | OOB修正パッチ | 状態 |
|---|---|---|---|
| Windows Server 2025 | KB5082063 | KB5091157 | 緊急対応必要 |
| Windows Server 2022 | KB5082142 | KB5091575 | 緊急対応必要 |
| Windows Server 2019 | KB5082073 | KB5091573 | 緊急対応必要 |
SharePoint Serverで第三者が別のユーザーになりすますことができる脆弱性です。すでに実際の攻撃への悪用が確認されており、エンタープライズ環境では特に早急な対応が必要です。
ブラウザエンジンの深刻なバグです。サーバー上でブラウザベースの管理ツールやWebアプリケーションを使用している環境では注意が必要です。
| 強化内容 | 詳細 | 副作用 |
|---|---|---|
| セキュアブート証明書の更新 | Windows UEFI CA 2023証明書への移行推進 | BitLocker回復キー要求の原因 |
| 脆弱なドライバのブロック強化 | psmounterex.sysなどをブロックリストに追加 | バックアップソフト停止の原因 |
| カーネルレベルの保護強化 | BYOVD攻撃対策・カーネル整合性チェック強化 | 一部ドライバとの非互換 |
| LSASSセキュリティ強化 | 認証サブシステムのメモリ保護強化 | 特定環境でのLSASSクラッシュ |
| 信頼性向上パッチ | Hyper-V・クラスター・ストレージの安定性改善 | ― |
KB5082142の適用後、ドメインコントローラーでLSASS(Local Security Authority Subsystem Service)がクラッシュし、サーバーが再起動を繰り返す状態に陥ります。
| 条件 | 詳細 | リスク |
|---|---|---|
| 特権アクセス管理(PAM)が有効 | PAM環境でのLSASSメモリ管理との競合が発生 | 高 |
| 非グローバルカタログ(non-GC)DC | GCでないDCで認証要求を受けた際にクラッシュ | 高 |
| 起動直後の大量認証要求 | サーバー起動のごく初期段階でリクエストを受信した場合 | 高 |
| Hyper-V上で動作するDC | 仮想マシンとして動作するDCでも同様の現象が発生 | 中〜高 |
- KB5082142適用後の再起動でサーバーが起動しない
- イベントログに「LSASS.exe」のクラッシュエラーが記録される
- ドメイン参加PCからのログインがすべて失敗する
- Active Directory認証サービスが応答しなくなる
- サーバーが自動的に再起動を繰り返す
- Hyper-V環境ではゲストVMの認証も停止する
Macrium Reflect・Acronis Cyber Protect・NinjaOne・UrBackupなどのバックアップソフトが正常に動作しなくなります。
原因: バックアップソフトが共通して使用する「psmounterex.sys」ドライバが、CVE-2023-43896への対策としてWindowsのブロックリストに追加されたためです。
- バックアップの実行中にエラーが発生して停止する
- 保存済みのバックアップイメージが開けない・マウントできない
- VSSスナップショットの作成がタイムアウトする
表示されるエラーメッセージ:
| ソフト名 | 影響を受ける機能 | 対応状況 |
|---|---|---|
| Macrium Reflect | イメージのマウント・スナップショット作成 | 最新版で対応 |
| Acronis Cyber Protect | クラウド同期・スナップショット・オフライン表示 | 対応中 |
| NinjaOne Backup | VSSスナップショット作成 | 対応中 |
| UrBackup Server | イメージ管理・マウント | 最新版で対応 |
アップデート適用後の再起動時に、BitLockerが有効なサーバーで突然「BitLocker回復キーを入力してください」という画面が表示されます。
- OSドライブでBitLockerが有効になっている
- TPM検証プロファイルにPCR7が含まれているが「バインディング不可能」な状態
- 非推奨のグループポリシー(TPMプラットフォーム検証プロファイル)が有効
一部の環境では、KB5082142のインストールが途中で失敗してロールバックされるケースが確認されています。特定のサードパーティ製セキュリティソフトやドライバとの競合が原因の場合があります。OOBパッチ(KB5091575)の適用で解決します。
Windows Server 2022をHyper-Vホストとして使用している環境では、DCクラッシュの影響が仮想マシンにも波及するリスクがあります。
- ホストOSがDCも兼ねている場合、ホストクラッシュで全VMの認証が停止
- ゲストVM上で動作するDCもLSASSクラッシュの対象となる
- ライブマイグレーション中に障害が発生するとクラスター全体に影響する可能性
LSASSクラッシュおよびインストール失敗に対する緊急修正パッチです。DC管理者は最優先で適用してください。
| 対象OS | OOBパッチKB番号 | 配信日 | 入手方法 |
|---|---|---|---|
| Windows Server 2025 | KB5091157 | 2026年4月19日 | Microsoft Update Catalog / WSUS |
| Windows Server 2022 | KB5091575 | 2026年4月19日 | Microsoft Update Catalog / WSUS |
| Windows Server 2019 | KB5091573 | 2026年4月19日 | Microsoft Update Catalog / WSUS |
-
OOBパッチを事前にダウンロードする
Microsoft Update CatalogからKB5091575をダウンロードします。
URL:catalog.update.microsoft.com で「KB5091575」を検索
-
サーバーとVMのスナップショット・バックアップを取得する
Hyper-V環境の場合、ホストとすべての重要なゲストVMのスナップショットを取得します。
-
定例パッチ(KB5082142)を適用する
WSUSまたはWindows Updateから通常通り適用します。まず非重要DCでテスト適用することを強く推奨します。
-
直ちにOOBパッチ(KB5091575)を適用するwusa.exe KB5091575.msu /quiet /norestart
-
サーバーを再起動して正常動作を確認する
LSASSが正常に起動し、Active Directory認証・Hyper-V機能が正常に動作していることを確認します。
net logon dcdiag /test:replications repadmin /showrepl Get-VM | Select-Object Name,State
-
セーフモードまたはDSRM(ディレクトリサービス復元モード)で起動する
起動時に F8 を押し「セーフモード」を選択。またはbcdeditコマンドで設定します。
bcdedit /set safeboot dsrepair -
問題のあるパッチをアンインストールするwusa /uninstall /kb:5082142 /quiet /norestart
-
OOBパッチ(KB5091575)を適用する
別のPCでMicrosoft Update CatalogからKB5091575をダウンロードし、USBメモリ等でサーバーに転送して適用します。
wusa.exe KB5091575.msu /quiet /norestart -
セーフモード設定を解除して通常起動するbcdedit /deletevalue safeboot
その後サーバーを再起動します。
-
AD・LSASS・認証の正常動作を確認するrem イベントログでLSASSエラーがないか確認 eventvwr.msc rem ADレプリケーションの確認 repadmin /showrepl rem DCの診断 dcdiag /test:replications /test:netlogons rem Hyper-V環境の場合VMの状態確認 Get-VM | Select-Object Name,State,Status
-
定例パッチ(KB5082142)を再適用する
OOBパッチ適用後はKB5082142を再度適用しても安全です。セキュリティ修正のため再適用を推奨します。
-
Hyper-Vマネージャーでゲストを強制停止するStop-VM -Name “DC-VM-Name” -Force
-
スナップショットからロールバックする(事前取得済みの場合)Restore-VMSnapshot -VMName “DC-VM-Name” -Name “Before-KB5082142”
-
OOBパッチを適用してから再起動する
ゲストVM内でKB5091575を適用してから、定例パッチを再適用します。
| ソフト名 | 対処方法 |
|---|---|
| Macrium Reflect | 公式サイトから最新版をダウンロードして更新 |
| Acronis Cyber Protect | 管理コンソールから最新バージョンへのアップデートを適用 |
| NinjaOne Backup | 管理コンソールからドライバのアップデートを確認・適用 |
| UrBackup Server | 公式サイトから最新版をインストール |
-
BitLocker回復キーを確認する
- Active Directory: AD管理ツールでコンピューターオブジェクトのBitLockerキーを確認
- Microsoft Entra ID(旧Azure AD): 管理ポータルのデバイス管理から確認
- Microsoftアカウント: account.microsoft.com/devices/recoverykey
-
48桁の回復キーを入力して起動する
正しく入力するとサーバーが起動します。
-
グループポリシーを見直す(再発防止)gpedit.msc → コンピューターの構成 → 管理用テンプレート → Windowsコンポーネント → BitLockerドライブ暗号化 →「ネイティブUEFIファームウェア構成のTPMプラットフォーム検証プロファイル」 →「未構成」または「無効」に設定
-
BitLocker回復キーをADにバックアップする(今後の備え)$BLV = Get-BitLockerVolume -MountPoint “C:” Backup-BitLockerKeyProtector -MountPoint “C:” -KeyProtectorId $BLV.KeyProtector[1].KeyProtectorId
- DCのフルバックアップ(またはスナップショット)を取得した
- BitLocker回復キーをActive DirectoryまたはEntra IDに保存・確認した
- PAMが有効な環境か確認した(有効な場合は特に注意)
- 非GCのDCが存在するか確認した
- OOBパッチ(KB5091575)を事前にダウンロードした
- まず非重要なDCでテスト適用する計画を立てた
- 業務時間外または低負荷時間帯での適用を計画した
- ロールバック手順を確認・準備した
- すべての重要なゲストVMのチェックポイントを作成した
- Hyper-VホストOSとゲストVMのOOBパッチ適用計画を立てた
- ライブマイグレーションを停止してからパッチ適用する計画にした
- フェールオーバークラスター環境では段階的ロールアウト計画を立てた
- バックアップソフト(Macrium・Acronis等)を最新バージョンに更新した
- パッチ適用前に手動フルバックアップを取得した
- バックアップの復元テストを事前に実施した
- VSSスナップショットが正常に動作するか確認した
| 不具合 | 深刻度 | 対処法 | 状態 |
|---|---|---|---|
| LSASSクラッシュ・DC再起動ループ | 最高 | KB5091575を適用 | 修正済み |
| KB5082142のインストール失敗 | 高 | KB5091575を適用 | 修正済み |
| Hyper-V環境への波及 | 高 | スナップショット+順次適用 | 手順で対応可 |
| バックアップソフト停止 | 高 | 各ソフトを最新版に更新 | 対応中 |
| BitLocker回復キー要求 | 中 | 回復キー入力・GPO見直し | 1回で解決 |
非重要DCでのテスト → 安定確認 → Hyper-VゲストDC → Hyper-Vホスト → 本番重要DCの順序で適用してください。
パッチ適用前の定期的なVMスナップショット取得を運用フローに組み込んでください。ただしスナップショットは長期保存に適さないため、バックアップとの併用を推奨します。
すべてのサーバーのBitLocker回復キーをADまたはMicrosoft Entra IDに集中管理し、定期的に保存状況を確認してください。
定例パッチ以外の緊急パッチにも迅速に対応できるよう、Microsoft Security Update GuideとWSUSのアラート設定を整備してください。
📌 DC・Hyper-V管理者が今すぐやること
- DCとHyper-VゲストVMのバックアップ・スナップショットを取得する
- BitLocker回復キーの保管状況をAD/Entra IDで確認する
- Microsoft Update CatalogからKB5091575をダウンロードする
- 非重要DCにKB5082142 → KB5091575の順でテスト適用する
- 安定動作を確認後、Hyper-Vゲスト → ホストの順で展開する
- バックアップソフトを最新バージョンに更新する
- フェールオーバークラスター環境では段階的ロールアウトを実施する

