Windows 11の2026年6月アップデートで不具合【6/10更新】

Windows 11の2026年6月アップデートで不具合 Windows11
Windows 11の2026年6月アップデートで不具合

2026年6月9日(日本時間)に配信されたWindows 11の月例アップデート(Patch Tuesday)で、複数の不具合が報告されています。本記事では確認されている症状・原因・対処法をまとめます。

📋 今月(2026年6月)のWindows 11 更新プログラム

対象バージョン KB番号 ビルド番号 配信日
Windows 11 25H2 KB5094126 26200.8655 2026年6月9日
Windows 11 24H2 KB5094126 26100.8655 2026年6月9日
Windows 11 23H2 KB5093998 22631.7219 2026年6月9日

✅ KB5094126 の主な新機能・修正(参考情報)

KB5094126は不具合対応だけでなく、以下の新機能・修正が含まれています。不具合情報と合わせてご確認ください。

  • 低遅延プロファイル(Low Latency Profile)の正式展開:スタートメニュー・検索・アクションセンターなどのシェル操作時にCPUを一時的に最大周波数へスパイクさせ、アプリ起動を高速化
  • 🎵 Shared Audio(共有オーディオ):Bluetooth LE Audio技術を使い、1台のPCから2台のデバイスへ同時に音声を共有する新機能。クイック設定から起動可能
  • 📊 タスクマネージャーのNPU監視強化:Copilot+ PC対応のNPU使用率・エンジン稼働・専用メモリ列を「プロセス」「ユーザー」「詳細」ページに追加
  • 📷 カメラのマルチアプリ対応:複数アプリが同一カメラを同時利用できる「複数アプリでカメラを使用する」設定を追加
  • 🔐 Windows Hello改善:Modern Standby後のWinBio遅延修正・生体認証が既定のサインイン方法として維持されるよう改善
  • 🖥️ Xboxモードの正式展開拡大:PC向けの全画面ゲームシェル体験をノートPC・デスクトップ・タブレットへ段階的に拡大
  • 🔍 Windows Search改善:2文字からファイル検索が有効になり、短いクエリでも精度向上
  • ⚙️ Windows Setup カスタムフォルダ名:セットアップ時にユーザープロファイルフォルダ名をカスタム設定可能に
  • 🔒 BitLocker回復ループの修正:4月更新(KB5082052)後に特定TPM検証設定(PCR7設定の無効な構成)を持つデバイスで起動時にBitLocker回復画面が表示される問題を修正
  • 💻 仮想化BSODの修正:KB5089573適用後に一部デバイスで発生していたHYPERVISOR_ERROR (0x20001) およびKMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED (0x1E) を修正
  • 🛡️ 200件のセキュリティ脆弱性を修正(ゼロデイ3件含む。BitLocker・HTTP.sys・CTFMON関連など)
  • 🔒 セキュアブート証明書の段階的展開を継続拡大:高信頼デバイスへの新証明書配信カバレッジをさらに拡大

⚠️ 不具合①:インストールエラー「0x800f0922」による強制ロールバック

対象:Windows 11 25H2 / 24H2 KB5094126 インストール時 旧ビルドからのアップグレード環境で発生

症状

アップデートの適用が35%〜36%付近で停止し、再起動時に「計画通りに進みませんでした。変更を元に戻しています」といったメッセージが表示され、自動的にロールバックされます。Windows Update画面ではエラーコード 0x800f0922 が表示されます。

原因

主な原因は、システム内の「EFIシステムパーティション(ESP)」の空き容量不足です。特に古いOEM製のPCや、ディスククローン後のパーティション構成に起因して、ESPの空き容量が10MB以下になっている環境で発生しやすくなっています。Cドライブの空き容量とは別の領域であるため、Cドライブに余裕があっても発生します。

💡 ポイント:なぜCドライブに空きがあっても失敗するのか

EFIシステムパーティション(ESP)は、Windowsを起動するためのブートファイルを格納する隠し領域です。通常は約100MBと小さく、ユーザーからは見えません。KB5094126はセキュアブートやブートマネージャーの更新を含むため、ESP内への書き込みが発生します。ESPの空き容量が10MB以下になっていると書き込みに失敗し、0x800f0922エラーが発生します。

🔧 対処法

方法1:PCを再起動してKIR自動適用を待つ(一般ユーザー向け・推奨)

Microsoftが配信するKIR(Known Issue Rollback:既知の問題のロールバック)による緊急のサーバーサイドパッチをインターネット接続があれば自動適用されます。PCを2〜3回再起動してから、Windows Updateで再確認してください。

方法2:レジストリ設定による即時回避(上級者向け)

管理者として「コマンドプロンプト」を開き、以下のコマンドを実行後、PCを再起動してアップデートを再試行します。Microsoft公式が案内している回避策です。

reg add “HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Bfsvc” /v EspPaddingPercent /t REG_DWORD /d 0 /f

方法3:企業IT管理者向け(グループポリシーによるKIR手動展開)

ドメイン参加デバイスにはKIRが自動反映されないため、MicrosoftのWindows正常性ダッシュボードからKIRポリシー定義ファイル(MSI形式)をダウンロードし、グループポリシーで手動展開してください。

🚫 注意:EFIパーティションの手動拡張は非推奨

一部フォーラムで「パーティション操作ソフトでESPを手動拡張する」方法が紹介されていますが、操作を誤るとOSブートローダーが破損し、Windowsが一切起動しなくなる致命的な障害を引き起こす恐れがあります。Microsoft公式が案内するKIR自動適用・レジストリ回避策にて対処してください。


⚠️ 不具合②:低遅延プロファイルによるゲーム内FPS低下・カクつき

対象:Windows 11 25H2 / 24H2(一部ゲーム環境) KB5094126 適用後 ユーザー報告多数・Microsoft未公式認定

症状

KB5094126で正式展開された「低遅延プロファイル(Low Latency Profile)」が、一部のゲーム環境に悪影響を及ぼしているケースが報告されています。

  • アップデート適用後、特定のゲームにおいてFPSの大幅な低下や、画面のカクつき(フレームタイムの不安定化)が発生
  • 特に『Cyberpunk 2077』『Call of Duty: Black Ops 6』などのタイトルで影響が報告されている
  • Latencymonなどのシステム分析ツールで高い割り込みレイテンシが検出されるケースも

原因

低遅延プロファイルは、ユーザーがUI操作を行った瞬間にCPUの動作周波数を一時的に最大100%近くまでスパイク(急上昇)させる仕組みです。このOS内部のスレッドスケジューリングの変更や電源管理の挙動が、不規則な割り込みレイテンシを誘発し、グラフィックスドライバー(NVIDIA / AMD)の処理と競合を発生させている可能性が指摘されています。Microsoftは公式には原因を認定していません。

🔧 対処法

方法1:グラフィックスドライバーをクリーンインストールする(推奨)

NVIDIA・AMD・Intelの各公式サイトから最新のゲーム対応ドライバー(Game Ready Driver / WHQL)をダウンロードし、DDU(Display Driver Uninstaller)などのツールでクリーンインストールを行ってください。

方法2:ハードウェアアクセラレートGPUスケジューリング(HAGS)の設定を見直す

  1. 「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィックス」→「既定のグラフィックス設定を変更する」
  2. 「ハードウェアアクセラレートGPUスケジューリング」のオン/オフを切り替えて効果を確認

方法3:ゲームモード設定を確認する

  1. 「設定」→「ゲーム」→「ゲームモード」
  2. 「ゲームモード」がオンになっているか確認し、必要に応じて切り替える

方法4:KB5094126をアンインストールする(最終手段)

パフォーマンスへの影響が許容できない場合は、KB5094126をアンインストールし、代替修正が提供され次第、再適用してください。「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムのアンインストール」から実施可能です。KB5094126には200件のセキュリティ修正が含まれるため、アンインストールは慎重に判断してください。

Microsoftはこの症状を公式の既知の問題として認定していません。今後の公式情報を引き続き確認します。


⚠️ 不具合③:セキュアブート証明書更新とファームウェア競合によるBitLocker回復ループ

対象:Windows 11 全バージョン(特定OEM製PC) KB5094126 適用後 HP / Dell / Lenovo ユーザーは要注意

🚨 重要:セキュアブート証明書が2026年6月から順次失効中

📌 期限切れ後にPCはどうなる?(Microsoft公式情報)

  • PCは引き続き通常通り起動・動作します(突然起動しなくなることはありません)
  • ブートレベルのセキュリティ更新が停止します(DBXと呼ばれるマルウェアのブラックリストが更新されなくなる)
  • 将来のWindowsフルアップグレードが2023年証明書チェーンを前提とする可能性があり、インストールに問題が生じる恐れあり
  • ⚠️ 対処法:Windows Updateを最新の状態に保つことで自動更新されます。手動でのEFI操作は不要です
  • 背景:2011年以前に発行されたセキュアブート証明書が15年の有効期限を迎え、順次失効。新しい「Windows UEFI CA 2023」証明書への移行が必要
  • 失効する証明書の例:Microsoft Corporation KEK CA 2011(2026年6月24日失効)など
  • KB5094126での対応:高信頼デバイスへの新証明書(Windows UEFI CA 2023)配信カバレッジをさらに拡大

症状

PCの起動時に突然BitLockerの回復キー入力を求められる画面が表示され、正常にOSが起動しない「回復ループ」に陥ったり、ブルースクリーン(BSOD)が発生したりします。

原因

BitLockerは、セキュアなブート状態がTPM(Trusted Platform Module)によって保護・測定されることで機能しますが、Secure Bootの変数変更とOEMメーカー(HP、Dell、Lenovoなど)が配信した特定の古いBIOS/UEFIファームウェアアップデートが競合することで、TPMがブート状態の不整合を検知し、安全のために暗号化ロック(BitLocker保護)をかけてしまうことが主因です。

⚠️ HPユーザー向け注意:BIOSアップデートによるBitLockerループ問題

KB5094126とは直接関係しない別件ですが、関連する重要な周辺情報として記載します。

  • 問題:HPが2026年4月に配信したBIOSアップデートが、EliteBook・ProBook・ZBookなど法人向けPCでBitLockerの回復ループを引き起こすことをHPが公式認定
  • 影響:BIOSアップデートがセキュアブートの状態を変更し、Windowsが「起動環境が改ざんされた」と誤判定。Microsoft の2023 Secure Boot証明書のインストールを妨げる場合あり
  • 対処法:HPが公式サポートドキュメントで回避策を公開中。企業環境では、ファームウェア更新前にBitLockerを一時停止することを推奨
  • 確認方法:PowerShellで「UEFICA2023Status」レジストリ値を確認。「In Progress」のまま変わらない場合は証明書の移行に失敗している可能性あり

🔧 対処法

方法1:BitLocker回復キーを使ってサインインする(緊急対応)

Microsoftアカウントにサインインして account.microsoft.com/devices/recoverykey から回復キーを取得するか、Azure AD / Active Directory に保存されている回復キーを管理者に問い合わせてください。

方法2:UEFI BIOSを最新バージョンに更新する(根本対処)

IT管理者は、Windows Updateを段階的に展開する前に、クライアントPCのUEFI BIOSを各ベンダーが提供する最新バージョンに更新することを最優先で行ってください。

方法3:イベントビューアーで適用状況を監査する(企業IT向け)

イベントビューアーのEvent ID 1808(正常移行)とEvent ID 1801(未移行)を監査して、全社端末の適用状況を精査することが推奨されています。


⚠️ 不具合④:Stop エラー(BSOD)の発生

対象:Windows 11 全バージョン(仮想化・ゲーム環境) KB5089573 適用後 → KB5094126で修正済み ✅ KB5094126で公式修正済み

症状

5月プレビュー更新(KB5089573)適用後、特定の環境においてシステムクラッシュによるブルースクリーンが発生するケースが確認されていましたが、今月の KB5094126 で公式に修正されました。

  • システムの再起動中、仮想マシン(VM)の動作時、または特定のゲームアプリケーションを起動した際に発生
  • Stopエラー HYPERVISOR_ERROR (0x20001) または KMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED (0x1E) が表示されて強制終了
  • Hyper-V、WSL(Windows Subsystem for Linux)、Windowsサンドボックス、ゲームの仮想化ベースセキュリティなどが影響を受けるケースあり

原因と修正状況

仮想化機能(Hyper-V)やサンドボックス環境との干渉によるもので、KB5089573で導入された変更が引き金となっていました。今月の KB5094126 でMicrosoftが公式に修正を適用しています。

🔧 対処法(KB5094126適用前のまま不具合が続いている場合)

方法1:KB5094126を適用する(最も確実な解決策)

「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」からKB5094126を適用することで、公式の修正が適用されます。

方法2:各ハードウェアの最新チップセット・NPU関連ドライバーを適用する

PC/マザーボードメーカーの公式サイトから、チップセットおよびNPUに関連するオプションのドライバーアップデートをすべて適用してください。


⚠️ 不具合⑤:その他の軽微なインターフェース・システムバグ

対象:Windows 11 25H2 / 24H2 KB5094126 適用後

スタートメニューの表示バグ

スタートメニューの表示が崩れたり、一時的に正常にレンダリングされないグリッチが一部ユーザーから報告されています。対処法:タスクマネージャーから StartMenuExperienceHost.exe を終了・再起動するか、PCを再起動してください。

ネットワーク速度の低下

一部のユーザー環境において、アップデート適用後にネットワークのパケット処理効率が変化し、一時的に通信速度が低下する不具合が観測されています。対処法:管理者権限のコマンドプロンプトで netsh winsock resetnetsh int ip resetipconfig /flushdns を順に実行し、PCを再起動してください。

Explorer.exe のクラッシュ(改善済み)

入力言語切替(インプットスイッチャー)などを閉じる際にエクスプローラー(explorer.exe)がクラッシュ・フリーズする問題が以前のバージョンで報告されていましたが、KB5094126では信頼性の向上が図られています。

ダークモードでの白いフラッシュ(修正済み)

ファイルエクスプローラーでダークモードを使用している際に白いフラッシュが発生する問題がKB5094126で修正されています。

ダウンロード・ドキュメントフォルダの表示設定がリセットされる

更新後に「ダウンロード」「ドキュメント」フォルダの表示設定やソート設定がリセットされるケースが報告されています。KB5094126ではこの問題の改善が図られています。


📊 まとめ・対処法一覧

不具合 対象 深刻度 対処法
インストール失敗(0x800f0922)
35〜36%でロールバック
Win11 25H2/24H2
KB5094126

(ESP空き容量不足環境)
①再起動してKIR自動適用を待つ(推奨)
②レジストリ回避策(EspPaddingPercent=0)
③企業環境:GPOでKIRを手動展開
ゲームのFPS低下・カクつき
低遅延プロファイルとの競合
Win11 25H2/24H2
KB5094126(一部環境)
中〜高
(ゲーマー環境)
①GPUドライバーをクリーンインストール
②HAGSの設定変更
③ゲームモード設定を確認
④最終手段:KB5094126のアンインストール
BitLocker回復ループ
OEMファームウェアとの競合
Win11 全バージョン
特定OEM製PC
①回復キーを取得してサインイン
②UEFI BIOSを最新バージョンに更新
③企業:イベントID 1808/1801を監査
Stop エラー(BSOD)
HYPERVISOR_ERROR / KMODE_EXCEPTION
Win11 全バージョン
仮想化・ゲーム環境
✅ 修正済み
(KB5094126で対応)
KB5094126を適用することで解消
チップセット・NPUドライバーも最新版に
軽微なUIバグ
スタートメニュー・ネットワーク速度低下など
Win11 25H2/24H2
KB5094126
軽微 PC再起動 / StartMenuExperienceHost.exe再起動
ネットワーク:netsh winsock reset 等を実行

📝 補足情報

Windows 11 23H2はKB5093998が配信されましたが、同バージョンは2025年11月にサポート終了しているため、新機能は追加されず、セキュリティ修正のみの提供となります。早めのバージョンアップ(24H2または25H2への移行)を強く推奨します。

BitLocker回復キーは事前に account.microsoft.com/devices/recoverykey で確認・保存しておくことを推奨します。セキュアブート証明書の更新に伴い、今後も回復ループが発生するリスクがあります。


🔗 参考・公式情報

最終更新:2026年6月10日(v1.0)/ 情報は記事公開時点のものです。今後の公式発表により内容が変わる場合があります。

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